2019年6月12日(水)〜16日(日)
メンバー:加藤さん(千葉県)、小松崎さん(神奈川県)、小田中 智
コース:13日/樽前山七合目登山口〜東岳〜風不死岳分岐〜七合目登山口
14日/冬島登山口〜五合目休憩小屋〜アポイ岳〜幌満お花畑〜登山口
樽前山(1,041m) 日本三百名山、花の百名山
樽前山は珍しい三重式活火山で、支笏湖カルデラの南に裾野を広げ、江戸時代に大噴火を起こした。独特の溶岩ドームは1909年の噴火によるもので、現在も活火山である。
市内から七合目登山口まで約60分、頂上まで約50分で登ることができる。外輪からは噴煙を上げる溶岩ドームが見える。
アポイ岳(810m) 花の百名山
日高山脈最南部、日高側の海岸沿いに位置し一等三角点がある。山頂からは展望が良くないが吉田岳まで行くと襟裳岬や日高山脈の山々が見渡せる。
アポイ岳は山がかんらん岩でできており、特殊な自然体系で多様な高山植物が育成し、固有種も多く高山植物の宝庫だ。稜線の高山植物と幌満ゴヨウマツ自生地は国の天然記念物に指定されている。
襟裳岬 名勝ピリカ・ノカに指定、日高山脈襟裳国定公園
日高山脈の南端部に位置し、沖合い7 kmまで岩礁が連なる。岬の周囲は高さ60mに及ぶ断崖で、三段に及ぶ海岸段丘が発達している。雄大な自然を堪能出来るほか、ゼニガタアザラシの生息地としても有名だ。
12日
17時半に盛岡駅でお迎えして八戸道に乗る。日が長くなったので明るいうちに走る高速道は走りやすい。
22時発の苫小牧行きの船に乗る。平日のためか室内はがら空きであったが、低気圧接近のため結構揺れた。この便は夜眠れる時間が長く、朝に苫小牧港に到着するので登山には便利な便だ。
13日(曇り)
今日は曇りで雨は降らない予報であるが、せめて遠望できることを期待する。登山口は平日のため空きスペースがかなりあった。
歩き始めるとさっそくウコンウツギとエゾイソツツジが出迎えてくれた。イワブクロ(タルマエソウ)はまだ早いようで数輪しか咲いていない。
砂礫を登り外輪に着くとガスで景色は見えず、またしても溶岩ドームは見れない。この山は相性が悪いらしく、まだ溶岩ドームすら眺めたことがない。
風不死岳分岐から下り始めるとエゾイソツツジの群生地で、登山口の手前まで続いており見事だ。岩苔にイワヒゲも多く咲き、景色が望めないぶん花はなハナで美しい光景だ。この山は周回ができる他、風不死岳まで往復できるので、時間に合わせて行動できるのが魅力だ。
海の駅 ぷらっとみなと市場で、名物のホッキ貝の海鮮丼を食べて様似へ向かう。道の駅 サラブレッドロード新冠で一休みし、海岸線の国道を走る。
今夜の宿は様似町の「ビジネスホテル プラザ味寿々 様似」で、食堂と一緒の宿なので、夕食は御馳走で料が多く米は食べれなかった。
七合目登山口
ウコンウツギ
マルバシモツケ
タルマエソウ(イワブクロ)
東山
一等三角点がある東山
エゾイソツツジ
エゾイソツツジ
ミネヤナギ
イワヒゲ
イワヒゲ
ピンクのマルバシモツケ
タイム:樽前山登山口(7:40)→東山(8:50)→登山口(10:50)
14日(曇り)
今日は曇りの予報であったが、晴れているので展望は期待が持てそうだ。アポイ岳の山頂はダケカンバで展望はないが、吉田岳まで行くと素晴らしい展望があるので楽しみだ。
ゆっくり歩いていくが花の姿はなく、この山は五合目を過ぎないと花が無い山である。しかしながら、五合目に咲いているはずのアズマギクは終わった後でガッカリする。
七合目手前になると花が現れるが、アポイクワガタも終わった後だった。しかし、終わった花も我々のために数輪だけ残っていてくれ、他にも数多くの花たちが出迎えてくれた。花が見えるたびに写真を撮るので先へはなかなか進まず、ゆっくりと花を眺めながら歩いて行く。
七合目ではガサッという音をたててエゾジカが登山道を横切っていった。登るごとに雲は低くなり景色は見えないが、終わってしまった花もあったものの種類だけは多かった。
ダケカンバ林の急な登りで山頂に着くがガスっぽく肌寒い。この状況では吉田岳に行っても何も見えないので、残念ではあるが吉田岳は止めにする。
下りは幌満お花畑コースから周回することにする。細い木のダケカンバの林にガスがかかり、幻想的な雰囲気の登山道だ。お花畑の花は終わっており、山腹をトラバースするコースを進むと、終わった後のオオサクラソウが数輪咲いており、葉が沢山あるのでこのコースはオオサクラソウ群生地だ。
登りで沢山の写真を撮ったので、下りは花を横目で見ながら下って行く。お腹の大きい妊婦さんがご夫婦でゆっくり下っており、聞くと8ヵ月だという。よほど山好きなご夫婦のようだ。
登山口に面したアポイ岳ジオパークビジターセンターに入り、かんらん岩の勉強をする。ビジターセンターはアポイ岳をはじめとする様似の大地・自然・歴史文化を紹介しており、なかなか見ごたえのあるセンターだ。
宿は近くにある「アポイ山荘」で、風呂が大きくゆったりお湯につかる。この宿はホテル並みの山荘で、設備も良く料理も品があり美味しい。
アポイ岳登山口
冬島川
七合目手前のかんらん岩
七合目
エゾコウゾリナ
アポイヤマブキショウマ
キンロバイ
終わっていたアポイクワガタ
ハクサンシャクナゲ
アポイゼキショウ
チシマキンレイカ
チングルマ
終わっていたサマニユキワリ
終わりかけたキタヨツバシオガマ
アポイカラマツ
チシマフウロ
終わりかけたアポイアズマギク
ミヤマオダマキ
イソツツジ
山頂直下のダケカンバ林
アポイ岳山頂
残っていたツツジ
終わっていたエゾオオサクラソウ
ゴゼンタチバナ
ヒオウギアヤメ
タイム:登山口(6:45)→五合目(8:25)→アポイ岳(10:30〜50)→登山口(14:00)
15日(曇りのち小雨)
様似山道を歩くつもりであったが、天気がイマイチでオオサクラソウが終わっているので止めにして、襟裳岬へ行くことにする。
様似山道は、アポイ岳が太平洋に落ち込む断崖上を全長約6kmにわたって続き、今から200 年以上前に、江戸幕府が北方警備のために作った官道である。春にはエゾオオサクラソウの群落が見られ、途中には断崖を望むビュースポットや明治初期にあった旅籠跡などがある。
様似山道の下の海岸線は日高耶馬渓と呼ばれ、7kmの断崖絶壁をつくっている海食崖であるが、通行止めのため冬島の穴岩を見物して襟裳岬へ向かう。
風の館のライブカメラでゼニガタアザラシを見、風速25mの風体験をして、岬へ向かう。歩道には濃いピンク色のハマナスが咲いており、その下は断崖絶壁で海に落ち込んでいる。岬では観察員さんの双眼鏡を見せてもらうが、目が見えにくいのでアザラシを見つけることはできなかった。
駐車場近くの観光センターでお土産を買い、海鮮ラーメンを食べるが、多くの具材が入っておりすごく美味しかった。
にいかっぷホロシリ乗馬クラブで馬に触り、夕食を食べるに恵庭に向かうと雨が降り出してきた。これから北海道は雨予報で、山中で景色は全然望めなかったが雨に当たらずに済んでよかった。
サッポロビール恵庭レストランでジンギスカンを食べる。このビール園は、札幌ビール園に比べると肉の質が良く美味しい。びーるを飲めないのが残念!
「苫小牧温泉 ほのか」で入浴し仮眠し、八戸行きの最終便に乗り込む。
襟裳岬
襟裳岬
襟裳岬灯台
オオハナウドと風の館
ハマエンドウ
ハマナス
エゾカンゾウ
ヒオオギアヤメ
冬島の穴岩
エンルム岬から見る様似港
16日(小雨)
八戸駅にお送りしお別れする。楽しい5日間はアッという間に終わってしまった。小雨降るなか、一人寂しく家路につく。 |