下賽ノ河原からの駒ヶ岳
1月20日(日)〜21日(月) メンバー:単独
コース:金ヶ崎牧野除雪終了点〜登山口〜上賽ノ河原〜駒ヶ岳 往復
駒ヶ岳は、経塚山、牛形山とともに夏油三山の一つに数えられ、夏場は直接経塚山への登山道はなく、雪がある時期ならではの縦走ルートである。
駒ヶ岳は夏にも登ったことはなかったが、経塚山への縦走を目的に、新着のザックとGPSの魂入れを兼ねて計画した。
登山口への道路は4〜5日前に偵察に来ており、駒ヶ岳手前の森林限界付近に1泊し、翌日に経塚山を往復して下山する山行とした。
20日(日) 雪のち風雪
朝6時に自宅を出て、高速道には乗らず和賀線を走り駒ヶ岳の登山口に向かう。
地方道37号の登山口へ5kmという看板から、1km程入った所で除雪は終わっている。
身支度を整え、スキーを履いて出発する。2日前に購入したゼロポイントのザックを背負うと背中にフィットし腰ベルトを締めると肩への重さはさほど感じられない。
ザックの重量は、上部で使用するスノーシューを背負っているので18kg程ある。ガーミンのGPSmap62sの電源を入れ、真っ直ぐに伸びる林道を歩いて行く。朝から雪降りで、新雪は15cmほど潜る。
心配していた足首の痛みは、痛みどめを飲んでいるのでさほでもなく、まずまずの調子である。
しばらく林道を歩いていると、途中から山へ入る道しるべの赤布があった。林道はまだ先へと続いており、登山口ではないので冬道の目印みたいだ。
やがて赤い鳥居に着き、ここが登山口らしい。ここからのコースが分からないので、629.9mピークを目指して登って行くと磁石が壊れてしまった。
GPSで確認すると右へコースを外れているので、コースを修正しながら少し下って行くとコース上の尾根筋が見つかった。
上空では風の音がゴーゴーと激しく唸り、この場所でも風雪となってきた。もっと上部に行きたいのであるが、コース状況が分からないため、上に行って吹きさらしにツエルトを張りたくないので、時間はまだ早いが今日はここまでとする。
標高は620m付近である。、風の当たらない所を探しツエルトを設営する。しっかり土台を固めツエルトに入りガスコンロに火をつけると、一気にツエルト内は暖かくなった。
炊事用の水を作り、ホルモン焼きと刺身をつまみに、お湯割り焼酎を飲み始める。暇にまかせて友人にメールを送る。
外では強い風の音が聞こえるが、ここは風を避けるため少し下がった所なのでさほど風は当たらないが、時折の風でツエルトははためいている。
ツマミがなくなった7時頃にはシュラフに潜る。夜中にトイレに起きると、ツエルト内は霜が張り付いていた。
登山口への林道
冬道への入口
登山口の鳥居
設営したツエルト
タイム:除雪終了点(8:20)→登山口(12:00)→629.9m付近(13:00)→620m付近設営(13:30)
21日(快晴)
4時半過ぎに起きると、ツエルト内は霜で真っ白になっていた。ガスコンロに火をつけると霜が溶け、小雨が降り出してきた。
ラーメンと炒飯の朝食後、必要最低限の荷物をザックに詰め身支度を整える。
ツエルトはそのままにして、スキーを付けて歩き出す。間もなく目印の赤布があり、荷物が少ない割には20cm程潜る。
ブナの美林の梢の間から朝日が差し込んできて、今日の好天を約束してくれている。
742.1mピークに登る手前で傾斜がきつくなってきたので、スノーシューに履き替える。
30cm程のラッセルで汗を流していると、後ろに人が現れ一瞬ビックリした。朝5時半に車から歩き出して来たそうだ。
ラッセルを交代しながら急な登りを終え、下賽ノ河原のピークに立つ。ここで視界は開け駒ヶ岳の山頂部が初めて姿を現す。
緩い登りで上賽ノ河原に着くと駒ヶ岳の全容が見え、山頂にある神社がはっきりと見える。その左には山頂部が雲に隠れた経塚山が見えた。
天気は快晴で、東方には遠く早池峰山が望まれる。稜線上は風で雪が締まりさほど潜らない。
鞍部に下りと山頂への急な登りとなった。ここは膝下まで潜るが、江刺から来たという菅原さんは先行しているので、楽をさせてもらって山頂に着いた。
赤い屋根の駒形神社奥宮が建つ山頂は360度の展望で、焼石連峰の山々は上部が雲で覆われはっきりと見えない。
目の前に聳える経塚山も山頂部は雲に隠れているものの、そこまでの尾根筋ははっきりと見え、経塚山が近くに感じれれる。
神社に参拝し、快晴で3月みたいな天候のなかでしばらく山頂にたたずむ。
菅原さんは脇にある雪庇に雪洞を掘っている。近々、この雪洞に泊まり、経塚山へ登ると言っている。
なるほど、この雪洞を利用すれば経塚山への往復が楽になる。今回は経塚山へは時間的に行けないが、3月か4月に訪れてみたい。
下山する頃になると経塚山の山頂を覆っていた雲がなくなり、まばゆいばかりに輝く経塚山の全容が見えた。なんと美しく立派な山なんだろうか。
下り始めると早いもので、アッという間に下賽ノ河原に着いた。下りは足首が痛く早く下れないので、菅原さんと別れゆっくりと下って行く。
スキーデポ地からはスキーで降れば早いのであるが、この足首ではスキーの滑降が怖いので、スキーに紐をつけ引きずって下る。
設営地でツエルトを撤収し、荷物を背負うとスノーシューを履いていても、トレースのない所では膝下まで潜った。スキーで来たのは正解だったようで、春は山頂からの滑降が楽しみだ。
林道へ降りるとスノーモービルの痕があり、潜らないで楽だが、痛みどめがが切れた足首はだいぶ痛くなっていた。暗くなった頃、ようやく車に着いた。
設営地付近からの朝焼け
ブナの美林帯から尾根筋へ
下賽ノ河原への登り
上賽ノ川原にて バックは駒ヶ岳
上賽ノ川原から見る駒ヶ岳
上賽ノ川原から望む経塚山
鞍部からの登り
駒ヶ岳山頂 左は経塚山
牛形山方面
経塚山
早池峰山と薬師岳
経塚山をバックに
輝く経塚山
下賽ノ河原から経塚山をバックに
登山口付近から望む経塚山
タイム:設営地(6:20)→上賽ノ河原(9:30〜50)→駒ヶ岳(10:45〜11:30)→上賽ノ河原(12:10)→設営地(14:00〜
14:40)→登山口(15:05)→車(17:30) |