西コメガモリ沢出口から見た早池峰山山頂
2014年4月15日(火) メンバー:嶋脇さん、小田中 智
コース:岳〜河原ノ坊〜頭垢離〜早池峰山〜西コメガモリ沢左岩稜〜奥鳥沢〜うすゆき山荘〜岳
2月に門馬から山頂に登り、剣ヶ峰から高桧山への縦走を失敗したので、日帰りで河原ノ坊から登りたいとのご依頼をいただいた。
3月にも和賀岳縦走を失敗しており、今年の冬は悪天と雪の状態が悪かったが、4月も中旬になるとやっと天候も安定してきたようだ。
日赤病院の駐車場を4時に待ち合わせ、私の車で大迫へと向かう。冬場は宿泊登山で早起きしていなかったが、今の季節はもう夜が明けようとしてしている。ずいぶん早くなったものだ。
冬場の登山口である峰南荘の駐車場で身支度を整え、歩き始める。冬期ゲートを過ぎて間もなく雪が有ったり無かったりの林道からは、ニセ鶏頭の岩場が小枝で見え隠れしている。
今朝は冷えたため雪は固く、上空には青空が広がっている。今日の日中は風も穏やかでだいぶ暑くなる予報だ。しばらくすると中岳の奥に真っ白に輝く早池峰山が見えてきた。
河原ノ坊からコメガモリ沢に入っていくと、空の濃い青に白い雪が浮かび上がるように輝いており、何ともいえない美しさだ。後ろを振り返ると、樹木の黒さが増した薬師岳背後に迫って見える。
緩い雪の斜面を陽に照らされながら登って行くと少しずつ傾斜を増し、七合目の頭垢離に着き、尾根上に登り一休みする。強い日差しの中で吹く風は弱く爽やかで、春の暖かさを感じる。
頂上は目の前に見えているが、結構ここからが長く体力的にきつくなる。右の東コメガモリ沢は雪崩の跡があるが、西コメガモリ沢は雪の斜面が稜線まで続いている。下りに尻セードしたら気持ちが良さそうな斜面だ。
しばらく雪の斜面を登ると岩場に入る。アイゼンを付けずにキックステップで登ってきたので、ふくらはぎが疲れてきた。下を振り返ると登山者の姿は見えなく、この素晴らしい天気でありながら登ってくる登山者はいないようだ。
最後の急登から右上しないで、ゆるい登りで左上すると山頂へ続く稜線に出た。するとどこから登ってきたか、新しい足跡が山頂へと続いている。途中で追い越されたわけはないのでどこから来たのか不思議だ。
山頂に着くと単独行者がいたが、挨拶もしないまま河原ノ坊へと下って行った。雲で遠くの山々は見えないが、うっすらと真っ白い岩手山だけがかすんでいた。
中岳から鶏頭山に続く尾根は、白い尾根が毛無森まで続き、ずいぶん遠くに感じられる。東方の剣ヶ峰に続く稜線は岩峰も雪で真っ白で、三角形の上部だけ見える剣ヶ峰は特に素敵だ。
下着にジャンバーの出で立ちではあるが、寒さはあまり感じられない。さて下るコースはどこにしようか、こんな良い天気に同じルートを下るにはもったいない。西コメガモリ沢を尻セードで下りたいが、出だしの傾斜が不安である。
いろいろ思案した結果、西コメガモリ沢隣の岩稜を途中まで下り、頃合を見て西コメガモリ沢に下ることにする。岩稜の上部は雪の斜面で、ハイマツ帯でも雪は潜らないため歩きやすい。
途中から沢に入れそうであるが今日は無理をせず、岩場を下ってから沢に入ることにする。岩稜帯を下って行くと右に奥鳥沢が見えたので、うすゆき山荘まで距離的に近い奥鳥沢へ下ることにルートを変更する。
やっとガレ場が終わり雪の斜面を奥鳥沢へと下って行く。傾斜の良い斜面が続いているので尻セードで下る。100mも滑っただろうか?楽しい下りだった。これからはこんなことも楽しみの季節である。
本沢に合流すると水流で沢底は雪が切れている所がある。いやな予感をしながら下って行くと堰堤が出てきた。しかしながら雪が何とかあるのでそれほどの苦労がなく5箇所くらいの堰堤を越す。
30年も昔にこの沢を登ったことはあるが、その時にはこんな物は無かったのであるが…。岳沢を渡り、2mの雪壁を登ると冒険は終わった。登った所を下った方が時間的に早かったと思われるが、こういう冒険を楽しめるのも残雪が残る今の時期だけである。
これからが体力的に苦しい林道の下りである。途中、清廉の滝で一休みしていると、雪の下に赤いものが見えた。取り出してみると、高価そうな時計が出てきた。アスファルトと雪に挟まるようなかたちで、持ち主に帰ることを待っているかのようだった。
早池峰林道
中岳と早池峰山
早池峰林道
うすゆき山荘
河原ノ坊
西コメガモリ沢と山頂方面
対峙する薬師岳
頭垢離上からの山頂方面
西コメガモリ沢左の岩稜
山頂方面
山頂直下の岩峰が見える
毛無森へ続く稜線
中岳、鶏頭山、毛無森
早池峰山山頂へ
早池峰神社奥宮
早池峰山頂避難小屋
剣ヶ峰地へと続く稜線
小田越と薬師岳
西コメガモリ沢出口から見た早池峰山山頂
岩稜の中間部
奥鳥沢枝沢へ下る斜面
尻セードする嶋脇さん
奥鳥沢
奥鳥沢 最奥の堰堤
その時計は、「CASIO PRO TREK PRW-5000」という高度計の機能が付いた時計です。
翌日、モンベルと石井スポーツに行ったが購入した形跡はなく、再び登山口の登山届の名簿を見に行ったがそれらしい人物がないので、17日花巻警察署に届けました。
モンベルと石井スポーツの店頭に告知していただき、私のトップページでも公開しております。心当たりの方は花巻警察署に問い合わせてください。
落ちていたCASIO PRO TREK PRW-5000
タイム:峰南荘駐車場(5:45)→河原ノ坊(8:10〜20)→頭垢離(9:25〜35)→早池峰山(12:10〜20)→奥鳥沢本流
(14:05)→奥鳥沢出合(14:50)→駐車場(16:55) |