11月29日(火) 天候:晴れ メンバー:単独
コース:パノラマコース登山口〜第一ピーク〜前神室山〜神室山〜西ノ又コース〜胸突八丁坂〜不動明王〜
吊り橋〜登山口
神室山は、秋田県と山形県に連なる神室連峰の主峰で、昔から山岳信仰の霊場として登拝されてきた山である。 案内板によると、『東北一の瘠せ尾根と言われ南北25kmに及ぶ神室連峰の主峰神室山は、修験者の霊場として開山されたと伝えられています。深く険しい渓谷や稜線を彩る高山植物も多く見られ「みちのくの小アルプス」とも称される神室山は、日本200名山に名を連ねています。』と書いてある。 今年の夏前から行ってみたい山の一つであったが、遠く1日ではもったいなく虎毛山と一緒に一泊で登ろうと思っていたが、パートナーもいなく秋からはクライミング主体となっていたので延び延びとなっていた。 もう12月になろうとしており、今年最後のチャンスだと思い天候を見て一人で行くことにする。天気予報では一日しか良くないので、最初に神室山を登り、虎毛山はオマケと考え2日間行程とした。
朝5時少し前に家を出て高速道に乗る。霧が濃く先き行きが心配であるが、霧が出た後は晴れると言うジンクツがあるのでそれを期待する。 北上JTCから秋田道に入り、横手から湯沢に向かう。夜が明けてくるとやがて霧は上がり、ジンクツ通り青空がのぞいている。高速道は雄勝こまちで終わり、横堀から108号に入り秋の宮温泉郷に向かう。
温泉手前の役内から大役内川の林道に入ると、間もなく鳥居があり案内板があった。鳥居をくぐり西ノ又川の林道を走ると、パノラマコースの登山口がある。
更に奥には林道があり西ノ又コースがあるが、パノラマというコース名からして展望が良さそうなので、パノラマコースを登り、西ノ又コースを下ることにする。来る途中の役内から遠方に見える山は神室山か分からないが、上部には雪が見えたので前に降った雪が残っているようだ。
急な登りを1時間程登ると稜線に出た。野鳥の囀りと川のせせらぎの音だけが、しずかな山稜に聞こえている。最近2週間山に行ってないのと、10月からはクライミング主体だったので体力的に衰えを感じ、急な登りに息切れをし、1分間休憩を度々しながら1ピッチを凌いだ。
第一ピークに着くと所々に雪が出始め、展望も良くなってくる。しかし、神室山らしき山はまだ見えてこない。第三ピークピークの手前から20cm程の雪が登山道を隠すが、雪がある方がかえって登りやすくなる。久しぶりに雪を踏む音、陽に照らされた輝く雪を踏みしめるのが気持ち良く嬉しくなってくる。風は殆んどなく、冬用の下着に身を固めたいでたちでは暑く、腕まくりをしながら歩く。
第三ピークでようやく、避難小屋がある頂上が遠くに見えた。その手前には前神室山あり、そこから頂上はまだ遠い。
前神室山では積雪が30cm位となり、始めは楽しかった雪踏みもしだいに疲れてきた。ここから尾根は瘠せてきて、緩い登りで頂上手前のピークへと続いている。
頂上手前のピークは、下山時に下る西ノ又コースの分岐点だった。更に瘠せた尾根を辿るとようやく神室山の頂上に着いた。南西から南東にかけて3つの縦走路があるが、いずれにも踏み跡は無く雪が降ってからは登山者は登ってないようだ。
北西側の雲海に浮かぶ小ピークは、なんとも神秘的で美しい。南方には神室山より少し高い小又山があり、瘠せ尾根が火打岳へと続いている。もう12月になろうとしているのに、陽のぬくもりで風は冷たさを感じない。こんな気候も珍しい。もっともっとゆっくりしていたかったが、初めて下るコースに不安もあるので思い腰を上げる。
分岐点まで戻り、西ノ又コースへと下って行く。間もなく三角石山の主稜線から左の支稜へと下る。平坦な所は夏道を見失いそうになるが、地図を見て地形を確認する。やがて胸突八丁坂の急な下りとなり、靴ひもを締めつけていたせいか足首が痛く、いつもながらビッコをひきながら下って行く。
やがて西ノ又沢にぶつかり、不動明王が祀られていた。そのすぐ下には三十三尋の滝が水しぶきをあげながら流れ落ちている。修験者はここで滝に打たれるのであろうか。
第三渡渉点を越えると登山道は急な斜面のトラバースとなり、ニノ渡の吊り橋・一ノ渡の吊り橋は鉄製の吊り橋がある。歩幅の間隔が遠く、足の短い人には届きそうにもない。間もなく林道に出て、登山口に着いた。
登ってみて、神室山の素晴らしさが分かった。展望の良い瘠せ尾根のパノラマコース、色々の場があり飽きない西ノ又コース、さすが修験者の霊場と言うだけあって両コースとも変化に富んでいて素晴らしいコースだった。来年は。小又山から火打岳へとのんびりと縦走してみたい。
タイム:パノラマコース登山口(7:40)→第一ピーク(9:15〜25)→第三ピーク(10:35〜45)→前神室山(11:10)→
神室山(12:50〜13:10)→不動明王(14:40)→第二渡渉点(15:30)→登山口(16:10)
明日は虎毛山を登る予定なので、秋の宮山荘で汗を流しホテルで泊まる。駐車場脇に車を止め、タウンエースを整理すると立派なマイカーホテルとなるのである。
一人寂しく宴会をし、梅ちゃんとメル友をし早目に休む。 |