焼石岳 ハクサンイチゲの大群落
2013年6月16日(日) 天候:曇りのち晴れ メンバー:塚田さん、忍田さん、小田中 智
コース:中沼コース駐車場〜中沼〜銀明水〜姥石平〜東焼石岳途中〜焼石岳 往復
4月にホームページから焼石岳登山のお申し込みをいただいた。兵庫県の方で、ハクサンイチゲの群落を見たいということで、6月中旬の山行となった。
朝早くに矢巾を出発するより、前日に麓に泊まった方が楽なので、登山日前日の昼過ぎに水沢江刺駅に迎えに行くことにする。
せっかく遠くからいらっしゃるので、ほとんどの人が知らない隠れた名瀑「衣の滝」とつぶ沼に案内することにした。
天候もそうであるが、ハクサンイチゲの群落をお見せできるかが心配だった。
15日13時過ぎに、水沢江刺駅に迎えに行く。今日はあいにくの雨模様であるが、登山日の明日は晴れの予報である。名瀑「衣の滝」は昨年と同様で、上部の工事のため釜にたまっている水は濁っており美しさが台無しだった。
つぶ沼に向かうと、新しくできた胆沢ダムには水が入っていて、水面はコバルトグリーンに輝いており、美しいダムの景観だ。昨年にはダムにはまだ水が入ってはいなかった。
つぶ沼は最近の干ばつで水が少なく、沼の景観はイマイチだった。ダムの反対側にそそり立つ猿岩が気になり、旧石渕ダム方向へと下って行く。
少しばかりの観光を終え、お客様が泊まる「ひめかゆ温泉 別館」に送り、朝5時に迎えに来ることにし別れる。
私は、食料の買い出しに県道397号を戻り、今晩の晩酌のおかずと明日の行動食を買う。今晩の宿泊地であるひめかゆ温泉裏の駐車場に戻る。
まだ5時を過ぎたばかりであるが、宿泊先の愛車の中で晩酌を始める。アルコールが無くなったので、まだ7時で明るいが明日の好天とハクサンイチゲの群落を見れることを祈りながら眠りにつく。
4時に起床し登山の服装に着替え、ひめかゆ温泉別館に迎えに行く。雲はまだ低いが上空は明るいので、しだいに晴れそうな気配がある。
中沼登山口へとしばらく林道をたどると、駐車場はまだ6時前にもかかわらず満車状態に近かった。今が高山植物の見頃で、こんなにも混んでいるのだろうかと思うと嬉しくなる。
ゆっくりと歩き出すが、次から次と登山者が登ってきては道をゆずる。道すがらには遅咲のミズバショウが咲いており、緑の中に白い花びらが美しい。
中沼の展望台で一休みするが、雲はまだ低く垂れこめ残雪をまとった山々を隠している。上沼を過ぎると残雪があらわれ、残雪の冷気が涼しく気持ちがよい。
銀明水の湧水にトマトを冷やし、下山時の楽しみの一つにとっておく。目の前には大雪渓があるので付近は肌寒いくらいだ。
下山してくる方に上部の状態をたずねると、ハクサンイチゲが満開だと言う。ここまでの間にもいろんな花が咲いており、お花見山行にふさわしい日になった。
残雪から夏道へ、また残雪と高度をかせいで行くと花の種類も増え始め、ハクサンイチゲがようやくお目見えしてきた。登山者は次から次へと私たちを追い越して行く。
登るごとに青空がでてきて、峰々も顔を出し始めている。天気は、まるで私たちに合わせて回復しているかのようだ。
姥石平には多くの人がいる。周りにはハクサンイチゲが咲き、東焼石岳への斜面はハクサンイチゲで真っ白だ。次々に現れる高山植物を前に、私たちは写真を撮るため、歩くよりも立ち止まっている方が長いような感じだ。
それは、東焼石岳方向に足を踏み入れた途端に、美しさに見とれるばかりだった。ここは白いハクサンイチゲと所々に咲くピンク色のミヤマシオガマの花園だ。この花園で昼寝をしたら、さぞかし気持ちがよいことだろうと思う。
焼石岳をバックにハクサンイチゲが写っているガイドブックの写真の場所を探すが、同じシュチエーションは見当たらない。東焼石岳に近づくにしたがい花園も途切れてきたので、姥石平に戻り焼石岳の山頂に向かう。
山頂は晴れだったが、残念ながら鳥海山は望まれなかった。吹く風は爽やかで、しばらく山頂でのんびりする。
銀明水の小屋で、お湯を沸かし熱いコーヒーを飲む。もう宿泊客がシュラフに横になり、のんびりとしていた。登る時に銀明水に冷やしておいたトマトは無事で、冷たく甘みのあるトマトはとても美味しかった。
今日の焼石岳は、登るごとに天気が良くなり、数々の種類の花とハクサンイチゲの群落が咲き、わざわざ兵庫県から来た二人のために時間が過ぎているようだった。
先週の乳頭山もそうだったが、美しいものをのんびりと見るのは幸せな気分で、喜んでいただくとさらに嬉しくなるのだった。
お二人をひめかゆ温泉に送り届け、お別れする。車が見えなくなるまで手を振って見送っていただいた。ぜひ、また一緒に登りたいものだ。
中沼
中沼の木道
リュウキンカとミズバショウ
上沼のコバイケイソウ
チングルマ
イワカガミ
姥石平の手前で
ムシトリスミレ
姥石平から焼石岳
焼石岳をバックに 花と花と花
ミヤマシオガマ
ハクサンイチゲの大群落
花園の向こうは東焼石岳
白いミヤマシオガマ
ユキワリコザクラ
焼石岳山頂
タイム:中沼駐車場(5:40)→銀明水(9:00)→姥石平(10:30)→焼石岳(12:10〜50)→銀明水(14:20〜50)→
駐車場(16:50)
昨日つぶ沼の帰り道に、つぶ沼から旧石渕ダム方面へと行ってみた。昨年は通行止になっていたが、今年は湖面の右に作られた道路は入ることができ、湖面には橋がかかり猿岩隧道へと続いているようだった。湖面から見る猿岩はやはり迫力ある壁だ。
途中で通行止めとなっていたが、工事車両は猿岩隧道方面へと入れるため、そこから歩いていく分には入れるような気がする。しかし、水面が高いように見えるので、下から取付くのは無理のような気がする。
猿岩の山頂手前には神社があるので、その道を登り、山頂から懸垂下降すると各ルートの取付きに行けるような気がする。
猿岩 一ノ壁
猿岩の全容
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