7月19日(木)〜21日(土) 天候:晴れ メンバー:梅田 正弘、小田中 智
コース:日暮沢小屋〜清田岩山〜竜門山分岐〜寒江山〜以東岳〜以東小屋〜竜門山〜大朝日岳〜ハナヌキ峰分岐
〜古寺鉱泉
朝日連峰はまだ訪れたことがなかったので、梅ちゃんの3連休を利用して行くことにした。 ガイドブックで調べてみると、大鳥池から以東岳が魅力的であり、大朝日岳へと縦走したかったが、車の回収に無理があった。 日暮沢小屋から竜門山に登り、以東岳に登り以東小屋に泊まって、翌日に大朝日岳まで縦走し日暮沢小屋に下山するコースとなった。
19日(木) 梅ちゃんと20時に岩城道の駅で待ち合わせなので、16時半過ぎに家を出る。 交通費節約のため沢内街道を走り、横手から由利本庄を経由して集合場所に向かう。待ち合わせを象潟道の駅に変更し、20時半過ぎに久しぶりに梅ちゃんに再開する。 私の車を道の駅に置き、梅ちゃんの車で日暮沢小屋へ向かう。真っ暗な林道を進んで行くと、小屋から2km手前で工事中のため通行止めになっていた。 突破できそうであったが無理をせず、明日はここから歩くことにし、車の中で天気祭りをして早目に休む。
20日(金)
5時に起床し、林道を歩き出す。雲が低くたれさがっているので雨が降り出しそうな空模様だ。 地元の単独の若者と一緒になり小屋まで話しながら歩く。小屋は3階建てで、冬は屋根近くまで雪が積もるという。 荷物の重量は14kgとやや軽く、霧雨の中をゆっくりと歩き出す。歩き始めて間もなく真っ白なギンリョウソウが道脇に咲いていた。 緩やかな登りからしだいに急な登りとなり、しばらく樹林帯の見晴らしが悪い中を登って行く。そして標高1,200
mを越えると、そこは青空の世界だった。
さらに登って行くと竜門山の稜線が見え、右側に竜門小屋が小さく見えた。谷筋からは雲が湧きあがり、大朝日岳やこれから向かう以東岳の姿は望まれなかったが、上空は晴れているのである。 稜線からは色々な種類の高山植物が咲き、ハクサンイチゲが登山道脇に咲き、疲れた体を癒してくれた。 谷から湧き出る雲の切れ間から時おり寒江山が見えるが、まだ以東岳の全容は見えないが山はかなり大きいようだ。 しだいにペースが落ち、ゆっくりと以東岳へと向かって行く。朝に日暮沢小屋で別れた若者とすれ違うと、以東小屋で女性の管理人が一人寂しく我々の到着を待っていると聞き、気持ちばかりはやるがペースは相変わらず変わらない。 やがて雲が切れ、あこがれの以東岳が見えた。頂上は間じかである。頂上からは夕暮れで薄暗くなった中に神秘的な大鳥池が見えた。 管理人の出迎えを受け小屋に入る。4日前から管理に入っているが、宿泊者がいない時は寂しく、今日も宿泊者がいないので我々の到着を待っていたと言う。 一緒にビールで乾杯し、前菜、ステーキ、スープを味わいながら食べ、会話も弾み楽しい一夜となった。
タイム:林道行止り(6:00)→日暮沢小屋(6:35〜45)→清太岩山(10:10)→稜線分岐(12:00)→竜門小屋(12:30〜13:00
)→寒江山(14:25)→狐穴小屋(15:15)→中先峰(16:40)→以東岳(18:10〜20)→以東小屋(18:30)
日暮沢小屋
ギンリョウソウ
登り出し
清太岩山
寒江山方面
竜門山
寒江山方面
ミヤマウスユキソウ
ハクサンシャジン
ミヤマハハコ
ハクサンイチゲ
ミヤマリンドウ
竜門小屋
ハクサンフウロウ
ハクサンシャクナゲ
寒江山
以東岳
中先峰
中先峰付近の池塘
以東岳
以東岳山頂
山頂にて
以東小屋
21日(土) 4時に起床し、小屋の外に出ると天気が良く、御来光の準備が始まっていた。間もなく以東岳から北東に延びるオツボ峰付近から真っ赤な太陽が顔を出してきた。なんと美しく、神々しい光景に感動する。 管理人が送ってくれると言うので一緒に頂上に立つと、雲海の稜線のずっとずっと遠くに尖がったピークの大朝日岳が見えた。 遥か遠くにそびえる大朝日岳から日暮沢小屋に下山するのかと思うと気が遠くなり、昨日の調子を考えると体力的な不安もつのる。 天気は快晴で北方向には、残雪が光る鳥海山、その右には月山の姿が望まれ、360度の大パノラマを満喫する。 管理人と分かれ、以東岳を振り返り振り返り、昨日登ってきた道を戻って行く。陽が高くなるにつれ谷から雲が湧き出て、時おり素晴しい展望の邪魔をする。 しだいに休む回数も多くなり、登りになるとだいぶペースが落ちてきた。カメラを向けるたびに大朝日岳は薄い雲に隠れ、なかなか写真を撮らせてくれない。 大朝日小屋から空身で大朝日岳の頂上に立つと、突然雲が流れ我々は青空の中にいた。大朝日岳は、初めて訪れる私を歓迎してくれているかのようだ。 小朝日岳への稜線を下って行くと大朝日岳が見送ってくれ、小朝日岳はトラバースコースを選ぶ。 ペースがさらに落ちた頃、梅ちゃんから提案があった。時間計算すると日暮沢小屋に着くのはかなり遅くなるので、私は古寺鉱泉に下山し、梅ちゃんは日暮沢小屋に下り車を回収して古寺鉱泉に迎えに来てくれると言うのである。 梅ちゃんの申し出にありがたく感謝しお願いする。梅ちゃんは、トレイルランやマラソンをしているツワ者である。 1,200m付近まで下ると天気が悪くなり、霧雨が降り出してきた。ハナヌキ分岐からヘットランプを付け、休み休み古寺鉱泉へと下って行く。 古寺鉱泉に着いたのは21時を過ぎ、梅ちゃんが笑顔で待っていてくれた。最愛の友よ、ありがとう! ゆっくりのペースではあったが、今日の行動時間は16時間になろうとしていた。
タイム:以東小屋(5:30)→以東岳(5:40〜50)→狐穴小屋(8:00〜10)→寒江山(9:30)→竜門山(11:20)→西朝日岳
(12:40〜13:05)→大朝日岳(15:10〜20)→ハナヌキ分岐(19:20)→古寺鉱泉(21:20)
以東小屋からの御来光
<img src="images/asahirenpou_12-7_27.jpg" width="620" height="402" alt="大朝日岳を望む" class="pict" />
大朝日岳を望む
以東小屋と大鳥池
月山(右)と鳥海山(左)
以東岳
1,514mピーク
雲海
狐穴小屋と以東岳
西朝日岳
大朝日岳
大朝日岳
大朝日岳
銀玉水付近からの大朝日岳
今回の山行は2日間とも12時間以上の行動となり、最終的にはバテバテとなり、梅ちゃんには迷惑をかけてしまった。 初めての朝日連峰は天候に恵まれ、たくさんの高山植物と出合い、素晴しい景色を楽しませてもらった。 標高1,200m以下では小雨が降っており、それ以上では晴れという、難しい山岳気象も経験した。山の天気は、行って登ってみないと天候は分からないということである。 2泊3日の行程を1泊2日で歩いたわけであるが、下り着いてからの感慨はなかったが、家に帰り写真を整理しているとようやく充実感にひたるのであった。 |