1月21日(土)〜22日(日) 天候:21日/曇り、22日/風雪 メンバー:千葉 健吉、三浦 功、及川 トミ、小田中 智
コース:馬返し手前〜馬返し〜3合目〜8合目避難小屋〜岩手山 往復
盛岡山想会で、はしばらく冬の岩手山に泊まっての例会登山をしていなかったが、今年は創立80周年を迎えるにあたり、記念登山として1泊での岩手山例会登山を計画した。
3合目にテントを張り1泊し、頂上を目指す計画であったが、残念ながら4名だけの参加となってしまった。
21日(曇り) 高松の池駐車場に7時集合し、私の車で柳沢に向かう。今年は岩手山も雪が少なく、例年であれば柳沢までしか入れなかったが、馬返しへと車が入った跡があるので行ける所まで行くことにする。 相の沢への林道入口でヤバクなってきたので、帰りのことを考えてここまでとする。ここは馬返しの中間くらいの所なので、ここまで入れただけでも儲けものである。
及川さんはスキーを持ってきてないのでツボ足で歩いて行った。我々はそれぞれが思い入れのあるスキーを履き、大きく膨らんだザックを背負い歩き出す。歩くトレースはしっかりとついており、その脇を思い思いに進む。
馬返しで一休みして、夏道に沿って下って行き、1合目への登りとなる。ザックが重いせいか、最近の山行での疲れのせいか足取りが思い。 しばらく行くとシールが外れた。前回も外れたので末端に細工を施したが、かなり粘着力が弱くなっていた。千葉ちゃんからテーピングテープを借りて巻いたが、シールを張り付けるにはこれが一番良いみたいだ。
皆から遅れて3合目のテントサイトに着く。整地してエスパースのテントを張る。冬のテントに入るのはもう28年振りにもなる。まだ昼過ぎではあるが、まずは冷たいビールをいただく。 やがて、会の先輩の出堀さん別パーティが登ってきて2張りのテントを張った。中道さんから生きたカニの差し入れをいただいた。 今晩の夕食はすき焼きで、良い肉を買ってきたと千葉ちゃんは自慢している。すき焼きとカニ、家よりも豪華な夕食が楽しみである。 暇にまかせ、コンロで雪を溶かし水を作る。まだ3時ではあるが、待ち切れずにカニを茹でる。残っていたビールで乾杯をし、飲み始める。この後にすき焼き事件がおきることは誰も知る由も無く、カニを食べる。 いよいよ、すき焼きを作ることになった。材料を出していると、小さな声で『肉を忘れてきました』と言う声が聞こえた。冗談だろうと思っていたら、マジらしい。買いに行かせるわけにもいかないので、グッと堪えながらあきらめる。
板ふが沢山あったので、肉に見立ててすき焼きモドキをいただく。ホットウイスキーを飲みながらの仲間との語らいは楽しい。ゆっくりと夜になっていった。明日の朝は早いので、早目にシュラフに潜る。
タイム:馬返し手前(8:10)→馬返し(8:50〜9:00)→2合目(10:50)→3合目(11:45)
22日(風雪)
朝4時過ぎに起床する。夜中にトイレに起きた時には風雪だったが、今はいくらか風はおさまっていた。昨夜残ったすき焼きモドキにうどんを入れ、パックライスを温めて朝食とする。
テントの中で身支度を整え外に出ると、単独行者がもう登って行った。スノーシューをつけ、まだ薄暗い中をヘットランプを点けて出発する。やがて明るくなり始めるが、風雪で御来光は望めなかった。
6合目の大蔵岩からは風が更に強くなり、身支度を整えて8合目の小屋を目指す。視界が良ければ7合目から真っ直ぐ頂上に向かうのであるが、この天候では7合目の下り口を見つけるのは難しいので、安全パイを選んで避難小屋から真っ直ぐ外輪に行くことにする。
避難小屋では視界は50m位なので、地図にコンパスの方向を合わせて、外輪へと真っ直ぐ登って行く。雪は風に飛ばされてラッセルは無く、スノーシューの登高器を上げて登る。
外輪に着くと更に風は強くなり視界も悪い。帰りの目印のためビニールテープを石に巻き付け、右回りで頂上に向かう。左回りで行くと頂上は近いのだが、20年ほど前に亡くなった杉村君に花を手向けるため右回りとした。 内輪の奥の宮に行く道を過ぎると右に岩が出始め、そこから少し自衛隊側に下った所が亡くなった場所で、上の大きい岩にリレーフがあるという。リレーフは氷に隠れていたが岩に穴が開いていたので、持ってきた花を手向け手を合わせる。 20年ほど前の11月下旬、県山協の冬山訓練の最中に、恒例の奥の宮付近での単独ビバークをする際、仲間からはぐれ岩陰に身を寄せながら杉村君は亡くなったと言う。
頂上に向かうと風は更に強くなり、ストックでしっかりバランスをとりながら、20m先しか見えない中を進むと、頂上の三角点に着いた。昨年の3月に来た時にはあった頂上の看板は壊れていた。写真を撮りすぐに下山する。
来る時に付けた目印で、避難小屋へコンパスを合わせ下って行く。下りのスノーシューは歩きづらい。ワカンであれば踵で歩けるのだが、スノーシューでは踵が使えないので、急な斜面の堅い雪ではすごく下りずらい。
傾斜が緩くなってくると前方に人影が見え、出堀さんの別パーティだった。言葉を交わし、合せた方角に下って行くと100m前方に避難小屋が見えた。
登りも下りも視界は悪かったが、コンパスで合せた方角が正確でピッタリと目的地に着くことができた。今はGPSが普及し、それに頼って登っている人が多いが、地図と磁石の基本を身につけていないと、GPSが使えない時は歩けなくなってしまうのである。
ウエアに沢山の氷が付いている。今までの山行でここまで氷が付いた記憶は無い。寒かったのだが、よほど湿気があったのだろうか?ストックにもきれいな輪になった氷が付いていた。
7合目からの下り口に注意しながら下って行くと、スノーシューが脱げたのに気がつかなく、100m程戻ってスノーシューを回収する。
3合目のテントを撤収し、下のスキーデポ地でスキーをつける。及川さんはツボ足で下って行った。雪が重いため、スキーが上手な三浦さんが度々転んでいるのを見ると嬉しくなる。千葉ちゃんも転び、怪我が心配だと早々にシールを付けて下っている。
私のフリートレックは、たいして滑らないので私にとっては都合が良いが、荷物に降られて転んでしまう。転ぶと起き上がるのに体力をつかうので、三浦さんと一緒にスキーを脱いで下る。
馬返しからはスキーで快適に2人は下って行ったが、私はあまりスピードを出せないのでマイペースで滑って行った。
今回も色々と学び、仲間との山行がとても楽しかった。
タイム:3合目(6:30)→大蔵岩(8:00〜10)→8合目避難小屋(9:00〜10)→岩手山(10:20)→8合目(11:20〜30)→3合目(12:30〜13:30)→車(15:30) |