2020年5月1日(金)
メンバー:嶋脇さん、小田中 智
コース:赤倉山神社〜赤倉コース〜岩木山〜嶽温泉
岩木山赤倉コースから登り、嶽温泉へ縦走の依頼をいただいた。登山ルートと下山ルートは180度反対方向なので、車2台で向かい車を回収することにした。
盛岡を夜中のスタートはきついので前日に弘前へ入ることにし、夜はどこかの駐車場に車中泊することにした。
岩木山(1,625m) 日本百名山
弘前市と西津軽郡鰺ヶ沢町に位置する火山で、青森県の最高峰である。日本百名山および新日本百名山に選定されている。その山容から津軽富士とも呼ばれるほか、「お」をつけて「お岩木山」あるいは「お岩木様」とも呼ばれる。
山は円錐形の成層火山で、山頂は三つの峰にわかれており、弘前側から見た右が巌鬼山、左が鳥海山とされるが、これらは火山活動により生じた外輪山の一部であり、山頂に一等三角点が設置されている。
もともと山頂にあった直径800mの破壊された火口に溶岩ドームが生じて、現在の三峰のもとになり、それらの溶岩ドームは1万年より新しい。岩木山の西麓や南麓にも3個の側火山があり、他にも山腹に多数の爆裂火口がみられる。
また、 山頂から北東にある赤倉沢の馬蹄形火口は大規模な山体崩壊を示しており、北東山麓の岩屑なだれ堆積物には、かつての崩壊の影響による多数の流れ山地形がみられる。なお、岩木山の地質は安山岩からなる。
比較的新しい火山のため、高山帯と広葉樹林帯の間に針葉樹林帯が見られず、ダケカンバがそのまま矮小化していく特異な光景が見られる。特産種であるミチノクコザクラ(ハクサンコザクラに近縁種で花がより大型である)と、本州では数少ないエゾノツガザクラなどの高山植物が自生している。
古くから山岳信仰の対象とされ、山頂には岩木山神社の奥宮が置かれた。江戸時代には弘前藩の鎮守の山とされ、歴代の藩主が岩木山神社に寄進を行ったため、その社殿は荘厳なものとなり、「奥の日光」とも呼ばれた。
山域は1975年に津軽国定公園に指定され、南麓に広がる2,587 haの高原は青森県の岩木高原県立自然公園に指定されている。
1日(曇りのち強風 ホワイトアウト)
矢巾を前日の14時に出発し、国道を走って弘前に入った。桜は満開であるが、コロナの影響で花見は中止のようで交通量は少ない。りんご畑から見る岩木山は雲一つなく、夕暮れに聳える勇壮な山容は美しい。赤倉コースの登山口を偵察し、街場に降りてコンビニの駐車場で車中泊した。
5時半に岩木山神社駐車場で待ち合わせ、嶽温泉に嶋脇さんの車を置き、赤倉山神社に向かう。天気は曇りであるが山頂部から下部は見えており、道すがらの桜は満開でピンクと白色が国道を華やかにしている。
神社から沢を渡る所の木に新芽がでており、山は新緑で淡い緑に染まるのもまじかであろう。行者小屋の手前から雪がありワカンを付ける。尾根に出ると小枝が道に被り歩きづらくなる。
しばらくすると尾根は広くなり、細いブナ林の緩やかな登りとなった。やがて下から声が聞こえ、2名の登山者がやってきた。コロナの真っ最中ではあるが、山へ来るのは我々だけではなかったことに安心する。
前方に伯母石が見えるとその後ろに赤倉山方面が見え、山頂方面には雲に隠れて見えない。右には赤倉沢上部の崩壊地である馬蹄形火口が見えている。山頂はまだまだ遠い。
赤倉山の稜線に出ると視界が悪くなり風も強くなってきた。風速は15m〜20m、視界は10mとなったが、先行者の足跡をたどって行く。正観音の手前でアイゼンに履き替える。
山頂への急登になるとホワイトアウト状態となり雪も硬くなってきた。高い所を目指して登っていくと斜面は緩くなり始め、山頂小屋がボンヤリ見えた。もう13時近くになり、やっと山頂に着いた。
真っ白で何も見えないが、この天気で山頂に立てたのは嬉しい。山頂往復の予定だったら、ホワイトアウトになった時点で引き返していたかもしれない。これから嶽へ下っていくのであるが、ここからの下りが要注意だ。
風を避けて小屋の陰で一休みし、下山にかかる。地図とGPSで方向を確認して下り始める。登山道のロープと古い足跡があり下る目印となった。
鳳鳴ヒュッテが見えるとリフト乗り場は間じかである。休憩所の陰でカップラーメンの遅い昼食にする。下るごとに雲は無くなり、八合目駐車場では青空も見え始めた。駐車場は除雪しているが、スカイラインの開通はいつになるだろうか。通年であれば連休前に開通しているのであるが、これもコロナの影響だろうか?
嶽への下りは湯ノ沢に下るコースを下ることにする。アイゼンからワカンに付け替え、尻滑り用のパンツを履く。厚手のビニールズボンを、履きやすくするため半ズボンにしたものであるが、雪の濡れを通さないため快適な尻滑りができるのである。昨年穂高のザイテングラートで試したら、良い結果が出ている。
この時期は、この尻滑りが楽しみの一つである。ヒップソリも持ってくるつもりであったが忘れてきてしまった。あまり下ってしまうと沢水が出てくるので、800m付近から右の登山道へとトラバースする。
もう1つの小沢を越え尾根への急な登りをトラバース気味に登って行く。八合目からだまって登山道を下れば楽なのであるが、尻滑りをしたいばっかりに沢を下った。つかの間の楽しさも終わり、あとはテクテク歩くのみである。
古い足跡は結構あるが、昨日今日の足跡は無かった。明日からの連休には登山者は来るのであろうか?
岩木山神社に参拝すると奥の院はコロナの影響か閉まっており、お参りは叶わなかった。車で赤倉神社方面に向かうと、雲で隠れていた山容は今になってすっかり見えた。下山すると晴れるのはいつものことである。
自分の車に入ると財布が無いことに気がついた。いつも車に置いているのであるが、探しても見つからなかった。家に帰り翌日も探したが見つからなかったが、2日後に車の隙間に隠れていた財布を見つけた。
赤倉山神社
登山口の新芽
細いブナ林が続く
伯母石
赤倉山と馬蹄形火口
赤倉山方面
鬼の土俵
馬蹄形火口
赤倉大権現付近
岩木山山頂
鳳鳴ヒュッテ付近
リフトの下は鉄粉で黒くなっている
八合目駐車場
太いブナ林が続く
稲荷神社
タイム:赤倉山神社(6:45)→伯母石(9:05)→赤倉大権現(11:55)→岩木山(12:50)→八合目駐車場(14:30)→
嶽温泉(16:40)
岩木山神社山門
30日 百沢スキー場の下のりんご畑から見た岩木山
道路わきに咲くレンギョウ
道路わきに咲く満開の桜 |