鳥海山 吹浦口〜象潟口 チョウカイフスマと数々の花たち!
 
鳥海山 新山
鳥海山 新山

7月15日(月)〜16日(火) メンバー:単独

 コース:大平登山口〜御浜小屋〜七五三掛〜千蛇谷〜御室小屋〜新山〜七高山〜伏拝岳〜七五三掛〜御浜小屋〜
     鉾立登山口〜大平登山口

 NHKカルチャー登山教室の下見であるが、七夕を過ぎると毎日の雨に見舞われた。やっと1日だけ晴れそうになったので、五合目の登山口で一泊して登ることにした。

15日(雨のち晴れ)
 昼過ぎに家を出て角館に向かうが、田沢湖付近で強い雨に見舞われたが大曲に入ると晴れとなった。
 由利本荘を過ぎると日本海が見え、水が太陽にキラキラと輝き水平線が遠くまで望まれた。久しぶりに見る海岸線はとても美しい。
 鳥海ブルーラインを登り鉾立駐車場に着く。山頂方向には雲がかかり望まれなかったが、日本海は地平線まで見渡せキラキラと輝いていた。
 明日は大平登山口から登るので大平山荘に泊まる。夜は星が輝き、海には漁火が光っていた。

16日(曇りのち晴れ)

 車を登山口に置き、石畳を歩き始める。今回はスパイクの長靴の魂入れで、金属の音を石畳に刻みながら軽快?に登って行く。
 天気は曇り空で、登るにしたがいガスが出始めてきた。朝早くのガスは後に晴れる可能性が高いので、今後の見晴らしに期待が持てる。
 清水大神を過ぎるといろいろの花が出始めてきたが、ほとんどは最盛期を過ぎていた。河原宿からは残雪が残り、ガスで方向が分からなくなるが、地図と偵察で方向を定める。
 尾根に出るとニッコウキスゲが咲き、コバイケイソウの群落も見事だ。ガスっていなかったらさぞかし美しい光景だったことだろう。御浜小屋付近からはガスにけむる鳥海湖がぼんやり見えた。
 上空には青空も見え始め、扇子森を越えると雲の切れ間から文殊岳が見えた。七五三掛からは、千蛇谷の向こうに始めて新山が雲の中から現れた。
 千蛇谷への下りは急で梯子があり、トラバース気味に千蛇谷へと下って行くと、雪渓が上へと続いている。上空は青空となり、まだ遠い新山は太陽にまぶしく光っている。
 緩い傾斜の雪渓をしばらく登って行くと、上部は谷が狭まり急な登りが見えてきた。さんさんと降り注ぐ陽の光は雪渓に反射してまぶしく、盛夏を思わせる快晴の千蛇谷だ。
 登りの斜度が強くなってきた頃、左の夏道を目指して登って行くと夏道に出た。右の稜線は200mほどの高さがあり、行者岳を経て七高山へと続いている。
 新山をトラバースするような道はやがて急な登りとなる。下方を見下ろすと、千蛇谷の下には雲がかかっており、標高1,700m位を境にして天気が分かれているみたいだ。
 新山の岩場が近くなってくると御室小屋に着いた。鳥居の正面には外輪の城壁があり七高山が見え、小屋の左にはゴロゴロした岩場の新山方面が見えた。
 新山へと登って行くと道脇にはミヤマキンバイの群落が鮮やかに黄色く光っていた。間もなく岩が大きくなってくると、岩が狭く峡谷みたいになった胎内潜りがあり、下って通過すると開けた岩場の登りとなる。
 矢印に沿って岩場を登って行くと、左にとんがった岩峰があり登るが山頂の印はなく偽ピークで、山頂は右のピークだった。山頂は狭い岩場で、目の前には城壁の上に七高山が見え、冬のことを振り返ると新山に立ったことに感動した。
 今年の3月、湯ノ台コースからこのピークを目指した。伏拝岳までは快晴であったが、雲が渦巻くと急に天候が悪化し、風速30mの強風をおして山頂まで30分位の所まで登ったが、完全なホワイトアウトとなり、頂上を目前にしてやむなく引き返した経緯があった。
 天候はガスが出始めては晴れたりと不安定になってきており、立ち去りがたいがあまりゆっくりもしていられないので下っていく。登ってきた反対側に下ると岩場が短く雪渓に降り、内輪へと雪渓を下って行く。
 外輪への登り口には、ミヤマキンバイ、ホソバイワベンケイ、初めて見るチョウカイフスマの群落があった。外輪に出るとガスが立ち込め視界が悪くなった。しかし、時折ガスの切れ間から素晴らしい景色を見れることもあった。
 行者岳の手前にはアオノツガザクラが一面に咲いている所があり、行者岳を過ぎるとハクサンシャクナゲが咲き、見事なチョウカイフスマの群落があり、数々のお花を見つめながら稜線を下っていった。
 下りになると長靴のため、つま先が痛くなってきた。今日は長靴の魂入れで仕方がないが、山によって長靴は使い分けたほうが良さそうだ。
 御浜小屋付近からは、行く時にはぼんやりとしか見えなかった鳥海湖は氷が溶けたばかりで、まだ冬のたたずまいだった。小屋から象潟口へと折れ、鉾立を目指して下って行く。
 賽ノ河原を過ぎると大きな雪渓が残り、また石畳となる。この石畳はつま先への負担が大いばかりでなく、歩いていて全然つまらなく山を歩いている気がしない。
 下るにしたがい陽が照りだし暑くなってきたが、上部の方は雲に覆われ頂上部の姿は望めなかった。
 鉾立登山口から、車がある大平登山口へとブルーラインをテクテクと歩いて行く。大平山荘でゆっくりと風呂につかり、家路につく。
 上部に行くと天気が良く、数々の花に恵まれ、チョウカイフスマとチョウカイアザミを見れたことはラッキーだった。



清水大神付近
清水大神付近



ハクサンボウフウとヨツバシオガマ
ハクサンボウフウとヨツバシオガマ

ホケたチングルマの群落
ホケたチングルマの群落

ニッコウキスゲの群落
ニッコウキスゲの群落

コバイケイソウ
コバイケイソウ

ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ

新山と千蛇谷
新山と千蛇谷

千蛇谷
千蛇谷

千蛇谷を見下ろす
千蛇谷を見下ろす

御室小屋
御室小屋

新山へ向かって
新山へ向かって

胎内潜り
胎内潜り

偽ピーク
偽ピーク

新山山頂
新山山頂

ツガザクラ
ツガザクラ

ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ

ホソバイワベンケイ
ホソバイワベンケイ

七高山
七高山

七高山山頂
七高山山頂

外輪から見る新山
外輪から見る新山

アオノツガザクラの群落
アオノツガザクラの群落

アオノツガザクラ
アオノツガザクラ

シナノキンバイ
シナノキンバイ

イワギキョウ
イワギキョウ

ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウ

ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ

ハクサンフウロウ
ハクサンフウロウ

チョウカイフスマの群落
チョウカイフスマの群落

チョウカイフスマ
チョウカイフスマ

鳥海湖
鳥海湖

タイム:大平登山口(4:25)→河原宿(5:40〜50)→御浜小屋(6:25)→七五三掛(7:05〜15)→御室小屋(8:40)→新山
    (9:20〜40)→七高山(10:10)→行者岳(10:35)→七五三掛(12:00)→鉾立登山口(14:15)→大平登山口(14:40)
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