2018年3月10日(土)〜11日(日)
メンバー:居谷さん(神奈川県)、小田中 智
コース:岳〜河原坊〜小田越〜一合目手前(テント泊)〜五合目〜早池峰山 往復
トレーニングがてらに無理なく冬の早池峰山を登りたいということなので、小田越の先の一合目付近にテント泊し、翌日軽い荷物で頂上往復することにする。
この時期は雪が締まっておりラッセルはないものと思われ、一日目は少し物足りないかもしれないが、テント生活をしてのんびり冬山を楽しむには手ごろで、晴れたら余裕で展望を楽しむことができる。
10日(晴れ)
居谷さんには盛岡駅前に前泊していただいたので6時に迎えに行き、大迫へと向かう。近日は雨が降っているので大迫には雪がなく、岳集落の手前でやっと雪があった。
今日は土曜日で明日も天気が良い予報にもかかわらず、峰南荘の駐車場には1台も車がなかった。さすがにこの辺は雪があったが、近日に雨が降ったみたいでラッセルはほとんどない。
上空には青空が広がり小梢越しに中岳から鶏頭山の稜線が見えているが、中岳付近は雲に覆われていた。時間はたっぷりあるのでゆっくり歩き、休憩時には話し込み長い林道歩きを楽しむ。
うすゆき山荘でやっと若者たちがやってきて、小田越に行って戻るようだ。スキーを履いている者がおり、帰りは滑って帰れるのがうらやましい。
河原坊では青空の面積が広がり、小田越えからの稜線や山頂方面がスッキリ見えている。やはり3月にもなると穏やかな天気になってきて、雪道も歩きやすくなり、山を存分に楽しめる春山が間じかである。
小田越からは山頂方面が青空の中にあり、穏やかな天気だ。テントサイトはもう少し先の斜面が急になる手前付近を予定している。天気が良い時のテント生活は、太陽熱でテント内は暖かく、避難小屋泊りよりも快適な面がある。
雪はグサグサで整地をし、明日のために張り綱もしっかり埋め込む。まだ14時前であり、ラーメンを食べた後にうたた寝をする。陽が陰ると急速に寒くなり、まだまだ明るいが夕食の準備をしながらビールで乾杯する。
居谷さんは昨年は来れなかったが、今シーズンは焼石岳に続いて2度目である。遠くにもかかわらず私との山行に来ていただいているのは、もう5年ほど前からで、山頂に立った確率は50%程しかない。そんな確率の悪い冬山に来ていただけるのはとてもありがたいが、天気が悪い時にはとても心苦しい。
清廉の滝
河原坊から見る山頂方面
小田越から見る山頂方面
一合目手前のテン場
タイム:登山口(7:50)→河原坊(11:10)→小田越(12:45)→テン場(13:25)
11日(快晴)
今朝は冷えており空には星が瞬いでいた。テントはそのままにして必要最小限の荷物にする。少し歩くと樹林帯を抜け視界が良くなり、五合目からの岩場や背後にはなだらかな曲線の薬師岳が見えており、上空には雲一つない天気だ。
雪は固いのでアイゼンを着け岩場へとゆっくり登って行く。夏道に合流すると登山道は凍っていた。数日前に大雨が降り登山道を流れ、それが凍って氷が張っているものと思われた。アイゼンのツァッケが氷に食い込み小気味いいい音が鳴っている。
岩場にはほとんど雪が付いてなく、岩肌を見る限りでは冬山ではないようだが、鉄梯子の斜面だけは氷がついている。風も穏やかで朝の冷気は冷たいが日の当たるところではポカポカ陽気だ。
梯子を過ぎると剣ヶ峰の分岐に出て、赤い屋根の山頂小屋が見えた。やはり雪は少なく雨でだいぶ消えたみたいだ。潜ることはない雪面は硬めで歩きやすい。
山頂は風が弱く快晴の天気で、鳥海山が霞む感じで見えている。居谷さんは先月に焼石岳で敗退しているせいもあり、とても感激していた。冬ではめったにないこの好天では、誰しもが感動する場面だ。
陰に回り込むと中岳から鶏頭山への縦走路が見え、その先には登山道が無い毛無森へと稜線は続いている。この縦走路は3月下旬にもなると雪が安定するため歩きやすくなり、河原坊から西コメガモリ沢を登り山頂小屋に泊まって、翌日鶏頭山へ縦走するのが充実した早池峰山を楽しめるルートだ。
岩場を慎重に下り、テントに戻って昼食にする。テントを撤収して下るが、この天気のいい日曜日に出会ったのは小田越日帰りの女性パーティだけだった。
大迫町ぶどうの湯で汗を流し、盛岡駅で居谷さんと別れる。また来年来ると言っていただいた。
五合目から上の岩場
薬師岳
鉄梯子がある岩場
下段の鉄梯子
上段の鉄梯子
剣ヶ峰分岐
山頂避難小屋
早池峰山山頂
早池峰神社奥宮
中岳、鶏頭山、毛無森
避難小屋と剣ヶ峰
タイム:テン場(6:25)→五合目(8:15)→山頂(9:25)→テン場(11:25)→登山口(14:30) |