黒伏山南壁 蒼山会ルート

黒伏山南壁全容 イメージ

1981年9月23日
 パーティ/藤原 雅一(仙台RCC)、山中 善弘(仙台RCC)小田中 智

  黒伏山は、山形県船形連峰の西に位置する山で、本峰から南西に延びる尾根の南面にはげ落ちた屏風状の岩壁がある。これが南壁で、高距約200m、幅約500mと東北では一番大きく急しゅんな岩壁は、柱状節理で構成されている。
 岩は石英安山岩で比較的軟らかいが、しっかりとしており、上部半分程はブッシュが多い。ルートピッチは5ピッチから12ピッチあり、ルート数は15本程もあり、グレードは極めて高い。
 昨年3月に一度訪れていたが、中央ルンゼのブロック崩壊があり、D凹角ルートを途中まで登っただけだった。
 仙台RCCの藤原さんと猿岩で出会ったのをきっかけに、黒伏山南壁に一緒に行くことになった。

黒伏山周辺概念図


 早朝、藤原さんの車で高速道に乗り、仙台宮城で降り、国道48号を山形へ向かって走る。関山トンネルを下った所から右の林道に入り、間木野集落から柳沢林道に入る。
 しばらく行くと大きくカーブする所があり、ここが南壁への入口だ。駐車場で仙台の山中さんと合流し、川を渡り踏み跡をたどって登って行くとキビタキの池があり、間もなく南壁の基部に着く。
 中央ルンゼの右のブッシュから、藤原さんトップで取付く。
 1ピッチ目、すべり台状の右の急なブッシュ帯を直上する。2ピッチ目、ボルトラダーの人工から左にトラバースし、クラックに入り、クラックの終了点で終わる。
 3ピッチ目、ボルトラダーを人工で登り、出口のフリーが難しく人工に慣れた体は、いきなりの難しいフリーにビビリ気味だ。
 4ピッチ目、小田中にトップを交代し、草付きを左上から右上し垂直の木登りとなり、腕力任せで木の枝をつかんで登る。
 5ピッチ目、フェースを直上すると草付きとなり、ボルトラダーを人工で登り、直上から右へのトラバースが微妙で難しい。
 ここから上はブッシュ帯となり、ここまでの5ピッチで終了する。
 天気は良く、さわやかな秋風が気持ち良い。正面には広大な牧場の風景が美しく広がっていた。
 ここから同ルートを5回の懸垂下降で取付きへと下りる。藤原さんは複数のルートを登っているので、ルート説明を受け、次回の登攀を期待して踏み跡を下って行った。
黒伏山南壁蒼山会ルート図


蒼山会ルート イメージ

コース/駐車場〜キビタキの池〜蒼山会ルート取付〜蒼山会ルート〜同ルート下降〜駐車場

                            盛岡山想会山懐10号より掲載 記:小田中  智
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