■自分史について……
 もっとも多く作られているものが「自分史」だと思います。生い立ちから現在に至までの自己の半生記、学生時代やサラリーマン時代の想い出。趣味やスポーツで培った人生観や思い出と、記録などを織りまぜた人生を振り返ったものが多いようです。
 いま『人生とは何か』と問われた時、あなたは何と答えますか?
 その回答を一冊の本にしたためてみませんか。きっと、お子さんやお孫さん、知人・友人、ご子孫まであなたの本を手にした方は、あなたの生き方から多くの感動とともに教訓を得るに違いありません。
 
 自分史は『心』の健康維持にも役立つことを知っていますか?
 高齢化社会の進展に伴って社会問題化していることに、認知症やうつ病など『心の病』の増加があります。近年、この病気に効果的と注目されているのが『回想法』と呼ばれるものです。
 『回想法』とは、アメリカの精神科医 ロバート・バトラー氏が1960年代に提唱した治療法で、過去の懐かしい思い出を語り合い、聞いてもらうことによって、脳を活性化させ生き生きした自分を取り戻させるという治療法です。
 高齢期特有の抑うつ状態の緩和や、認知症の進行を遅らせる効果があると言われています。
 自分史の本づくりの行程も、懐かしい過去を振り返ることから始まるので、まさに『回想法』に通じるものがあります。自分史を作りながら認知症を予防できたなら、一石二鳥です。
■自費出版とは……
 ひとくちに自費出版といっても、いったいどういうものなのでしょうか? 辞書を見てみると「著者が出版物の作成費用を負担する出版」などと書かれています。
 自費出版とは、「著作権を有するものが、全てのリスクと内容に責任を負い、その主導権のもとに発行する出版物」とある文献で定義されています。
 「著作権を有するもの」とは、出版における著者のことです。漫画や小説、写真集、絵本や画集、詩集や文集、社史などです。
 「著作権を有するもの」は個人ばかりではありません。多くの場合、「著作権を有するもの」は著者ということになります。
 「全てのリスク」とは、ほとんどの場合、費用面のことについてです。自分の本を出そうと思って、原稿を書きます。本を出版するには数度の校正が入り、校了になり、印刷して製本し出来上がります。そこで原稿にミスがあると印刷のやり直しとなり、印刷や製本代がもう一回かかってしまいます。このようなリスクを含めた「全てのリスク」ということになります。
 「内容に責任を負い」とは、原稿の内容ということです。他の著作物からのパクリであったり、他の人を中傷する内容であったり、法律に触れる内容であったり、そんな内容に関しての全ての責任ということです。よく出版差し止め、慰謝料請求、謝罪広告などの新聞記事がありますが、これらの責任を全て負うということになります。
 自費出版とは、部分部分の編集、デザイン、組版、印刷、製本、時には流通までを、色々な人に手伝ってもらいながら完成し流通するわけで、出版するための費用はかかりますが、自分の一番好きな本を作ることができるのです。
■自費出版の種類……
自分史/生い立ちから現在に至るまでの自己の半生記の思い出を、人生観とともにまとめる。
写真集/デジカメで撮りためたものに説明文や感想文を入れて、一冊の本にまとめる。
絵 本/お母さんが自分の子供のために、こんな「絵本」があったらいいのにと思ったもの。
記念誌/趣味の倶楽部や同人会での活動や思い出を、何十周年の記念としてまとめる。
エッセイ集/いま人気のブログを活字にし、自分で描いたイラストを添える。
追悼集・遺稿集/親しかった故人を、思い出とともに文章にまとめて偲ぶ。
研究論文集/経済、社会、文学、歴史、自然、文化など、あらゆるジャンルの研究書、論文集
郷土史/地域の文化や歴史を次世代へ伝える。
句集・歌集/俳句や和歌などを詠んだものを集める。
小説・随筆・紀行文/体験したことを物語風に描いたり、思い出や記録をまとめる。
画集・作品集/趣味やサークルでの作品や、展覧会へ出品した作品を集める。